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《【アーカイブス 57 】『ヤマセミの渓から ――― ある谷の記憶と追想 》

 アーカイブス 13/06/27


        《 『夜』 ・・・ 詩人が居る 「中原中也) 》 
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       夜が進む。
        人が座る。
        昏が居る。
        人が呟く。


                

       《 夜、うつくしい魂は涕(な)いて、

            ――かの女こそ正当(あたりき)なのに――

         夜、うつくしい魂は涕いて、

           もう死んだっていいよう……というのであった。

         湿った野原の黒い土、短い草の上を

             夜風は吹いて、 

         死んだっていいよう、死んだっていいよう、と、

            うつくしい魂は涕くのであった。

         夜、み空はたかく、吹く風はこまやかに

          ――祈るよりほか、わたくしに、すべはなかった……  》

                     「妹よ」     (中原中也)

       



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                     中原中也
                     
1907年明治40年)4月29日 - 1937年昭和12年)10月22日



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《ヤマセミの谿から・・・ある谷の記憶と追想》

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―― 人は自然への遠い記憶を失っては生きていけない ――







by tanasita08a | 2020-01-17 08:44 | アーカイブス―――《ヤマセミの渓から》

画室『游』      デッサン教室    受講生募集              「ヤマセミの渓から」ある谷の記憶と追想 (http://tanasita08.exblog.jp/)

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